こんにちは。ドラマーのひろです。
「部屋の防音はまず窓から。」ということでDIYで窓の防音対策を行ったので、実際にかかった費用とその効果をお伝えします。
「窓 防音」などと調べると防音専門ピアリビングなどの商品がヒットすると思います。
しかし私の場合、超概算見積り額は7万円ほどかかるようでした。
そこで気になったのが、DIYならばいくらかかり、どれほどの効果があるのかという点です。
同じような疑問をお持ちの方に向けて、作成方法も含めた具体的な内容を紹介します。
本記事を読むメリットは以下となります。
- 本記事の手順に沿えば窓の防音対策をDIYできる
- 窓の防音対策にいくらかかるのか費用がわかる
- 既製品と比較して非常に安価に防音ボードを作製することができる
- 防音ボードの効果が分かる
なぜ窓の防音が重要なのか
一般的な部屋において騒音が外に透過しやすいのは窓です。
なぜか。その根拠は防音においてよく言われる質量則によります。
質量則は質量が大きい物質ほど音の遮音性能が高いことを示しています。
20 × log10(周波数[Hz]×密度[kg/m^2]) – 42.5 = 物質の遮音性能 ( 透過損失[dB] )
上記の式より、「周波数が高いほうが音が透過しにくい」、「材料の密度が高いほうが遮音性能が高い」ことがわかります。
窓は壁と比較して材料の密度が低いため、遮音性能が低く音が透過しやすいということになります。
窓の防音は部屋の防音でまず手を付けるべきです。
上記の他にも、「サッシに隙間がある」ということも音を通しやすい理由になります。
窓の防音対策イメージ
それでは、私が実施した窓の防音対策を具体的にお伝えします。
目指したのは、防音専門ピアリビングのワンタッチ防音ボードです。
この後製作にかかった費用も掲載するので、まずはどれくらいのサイズを作成したのか紹介します。
取り付ける窓は150cm×94cmの幅でした。
そこで、防音ボードを2枚用意し、枠にはめるようと考えました。
また、防音ボードの簡単なイメージは以下のようになります。
薄板同士の間に角材で隙間を作り、隙間にはグラスウールを充填します。
グラスウールは音の振動を受けた繊維同士が摩擦を起こし、熱エネルギーに変えるため、防音効果を発揮します。
グラスウールの防音効果はこちらのサイトが参考になります。
防音ボードの材料
それでは、材料を選定していきます。
上記の図に登場している材料は以下の通りです。
- 取っ手
- 薄板
- 角材
- グラスウール
それぞれの材料について、下記で深堀していきます。
取っ手
この後紹介しますが、グラスウールは厚さ2.5cmのものを使用することにしました。
そこで、以下のように推奨板厚が2.5cmとなるようなネジが付属している取っ手を選びました。
購入したのはこちらの取っ手です。
(画像クリック先のリンクから購入可能です。)
薄板
こちらは特にこだわりがないので、なんでもよかったのですが、カッターで切れるために加工しやすいプラスチック段ボールを使用することにしました。
以下は91cm×181cmだったので、ギリギリ1枚分しか切り出せず4枚購入しました。
ちなみにホームセンターでも売っていました。
(画像クリック先のリンクから購入可能です。)
角材
角材はグラスウールの厚さ2.5cmに合わせて、2.5cm×2.5cmのものを使用しました。ホームセンターで買うとカットしてもらえるのでオススメです。
グラスウール
グラスウールは上記の通り厚さが2.5cmのものをカットサービスで必要な分を買いました。(こちらから購入可能です。)
工具
工具は、板を角材に留めるためのタッカーとドリルを使用しました。
タッカーは以下のものを購入しましたが、芯が付いて2000円程度だったのでコスパはいいです。
その他
角材同士を留めるためにジョイント(下左)と木ねじ(下右)を使いました。
こちらもホームセンターであれば売っていると思います。
また、ガムテープと布を使用します。布はなくてもかまいませんが、作成した防音ボードを巻くときれいに出来上がります。
防音ボードの材料費
ここまで紹介した材料は以下の金額でした。
材料・工具 | 個数 | 単価 | 金額 |
---|---|---|---|
取っ手 | 4 | 660円 | 2,640円 |
薄板 | 4 | 2,654円 | 10,616円 |
角材 | 8 | 690円 | 2,760円 |
グラスウール | 1 | 1,630円 | 1,630円 |
タッカー | 1 | 1,899円 | 1,899円 |
木材ジョイント | 8 | 162円 | 1,296 |
木ねじ | 2 | 300円 | 600円 |
黒布 | 1 | 1,358円 | 1,358円 |
合計金額 | 22,799円 |
薄板の値段が思ったより高かったので、もう少し安い材料を選べば15000円くらいに抑えられたかもしれません。
業者の防音ボードは7万円近くしたので、DIYする価値はあると思います。
防音ボードの作成手順
それでは防音ボードを作成していきます。
角材をつないで骨組み作製
木材ジョイントをつないで骨組みを作製します。
角材の厚みを考慮して、以下のように木材をカットする必要があります。
薄板の加工・片面分の薄板を骨組みに取付
取っ手の取付位置を確認し、薄板に穴をあけておきます。
薄板はカッターで簡単に切ることができるので手軽に加工できました。
その後、骨組みに片面だけ薄板を取り付けます。
取付はタッカーで薄板を角材に留めていきます。
グラスウールを充填・もう片面の薄板を骨組みに取付
ここまでできている骨組みにグラスウールを充填します。
グラスウールははさみで切れるので加工しやすいです。
指がチクチクするといけないので、可能であればゴム手袋などつけて作業することをオススメします。
グラスウールを充填したら、もう片面の薄板をタッカーで留めていきます。
ここまでできたら、グラスウールが飛び出してこないように、ガムテープを隙間部分に貼っていくとよいです。
防音ボードに布を巻く・取っ手をつける
防音ボードに布を巻くのは必須ではないですが、見た目は布を巻いたほうがキレイに見えると思います。
布を巻いたら、取っ手取付部分だけハサミ等で穴をあけておき、取っ手を取り付けます。
取っ手の取付ねじはM4なので、3.2口径程度の下穴をあけておくと木ネジをうまく取り付けられると思います。
完成
以下が完成した防音ボードと窓に取り付けた状態の写真です。
既製品に負けないほどの見た目に仕上がりました。
防音ボードの効果
防音ボードの効果を騒音計をもちいて計測しました。
騒音計の設置場所は以下のように窓枠の上に配置しています。
室内のスピーカーから大音量で音楽を流し、「カーテンをつけた状態」と「防音ボードをつけた状態」でそれぞれ3回ずつ計測しました。
計測結果は以下の通りです。
計測条件 | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
---|---|---|---|
防音ボードなし(カーテンのみ) | 77.3dB | 77.1dB | 76.5dB |
防音ボードあり(カーテンなし) | 66.9dB | 66.3dB | 66.9dB |
カーテンのみのとき平均77dB、防音ボードを付けたとき平均66.7dBでした。
これにより、作製した防音ボードには10.3dB程度の防音効果があることが分かりました。
おまけ(遮音材・吸音マットを貼ったとき)
作製した防音ボードに遮音材、吸音マットを貼り、さらに効果が上昇するかも合わせて検証しました。
計測した結果は以下の通りです。
計測条件 | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
---|---|---|---|
防音ボード+遮音シート | 58.6dB | 59.0dB | 58.6dB |
防音ボード+遮音シート・吸音マット | 50.1dB | 51.0dB | 50.4dB |
防音ボードに遮音材を貼ることで平均58.7dB、防音ボードを付けたとき平均50.5dBでした。
これにより、遮音材を貼ることでさらに8dB(合計18.3dB)、吸音マットを貼ることでさらに8.2dB(合計26.5dB)の効果があることが分かりました。
さいごに
いかがでしょうか。
窓の防音ボード設置によって、費用1.5万円程度で10dB程度の効果を得ることができました。
自分の手を動かす必要がありますが、費用を考えるとDIYで作製することにメリットがあると思います。
また、さらに効果を上げたい方には遮音材・吸音マットの併用をオススメします。
以上です。
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