電子ドラムのタイヤふにゃふにゃシステムは本当に効果があるのか検証する

こんにちは。メタルドラマーのひろです。

電子ドラムを持っている方ならもしかしたら「タイヤふにゃふにゃシステム」を聞いたことがあるのではないでしょうか。

「タイヤふにゃふにゃシステム」は電子ドラムの下に防振ステージを用意して、電子ドラム(特にキックパッド)からの振動を軽減させることで階下への騒音を減らすためのものです。

本記事では、「タイヤふにゃふにゃシステム」の構造に触れたうえで、「タイヤふにゃふにゃシステム」はいくらかかるのか本当に効果があるのか、検証した結果を掲載しています。

電子ドラムの防音(防振)に興味のある方の参考になると思いますので是非最後まで読んでみてください。

タイヤふにゃふにゃシステムの構造

「タイヤふにゃふにゃシステム」は電子ドラムから床に伝わる振動を軽減させるために、電子ドラムと床の間に「ふにゃふにゃ」したものを挟み、ステージのような構造にする防振システムです。

電子ドラムの防振で検索するといろいろな記事が出てくるくらいポピュラーになっているものですね。

防振工事をするよりもDIYで作れる魅力があり、多くの電子ドラムユーザーが防振するといえばまずこのような仕組みを作るのではないでしょうか。

タイヤふにゃふにゃシステムの構成部品

「タイヤふにゃふにゃシステム」の構成部品は人によりさまざまです。

私が初めて「タイヤふにゃふにゃシステム」を目にしたのは10年以上前ですが、YouTubeで3輪車用のタイヤでシステムを作り叩いてみた動画を挙げている方がいました。

現在ではタイヤの代わりにバランスディスクを用いるほうが一般的かと思います。

今回の私の検証する構成では部品として以下を選びました。

部位材料個数備考
ステージ部分4枚ステージ部分にはRolandから出ている防振板材を使用しました。椅子までのせてステージを作る場合はこちらを4つ用意します。(椅子は載せないのであれば2つで大丈夫です。
ふにゃふにゃ部分16個アマゾンで安いバランスディスクを探してこれにしました。上記のプレート1枚につき4個用意したので、合計16個のバランスディスクを用意しました。この商品は2個セットなので8つ購入しています
ふにゃふにゃと床の間の緩衝部分4枚バランスディスクと床の間に防振材を入れてより防振性能を高めようと考えました。こちらを4つ購入し、電子ドラム部分の下にあたる場所に配置しました。詳しい配置は後述します。
すべり止め2つバランスディスクや上記の防振マットは素材
てきに滑りやすいというわけではないですが、電子ドラムをたたいていて動くと嫌なのでこちらを2つ用意しました。

合計金額は143,924円ということで、我ながらかなり高額になりました。

他の方はステージ部分は木板をホームセンターで買う方が多いので、そうなると5万円以内で作れるのではないでしょうか。

なんせ、ノイズイーターを4枚買うとそれだけで11万円もしますから。。

今回お伝えしたいのは「お金をかけたうえで検証してどうだったのか」という部分です。

各材料の配置

それぞれの材料の配置図は以下のようになっています。

「ジョイントマット」と書いてあるのは、ホームセンターで売っている正方形にカットされた絨毯です。

椅子を置く部分は防振いらないと思ったので、コストカットのためにジョイントマットを一部使うことにしました。

ちょうど50cm×50cm×5mmのジョイントマットが売っていたので、2枚重ねるとP防振マットと同じ厚さになりました。合計6枚使っています。

いざ検証

検証環境

2階建て家屋の2階部分で電子ドラムを叩き、1階部分で計測を行います。

2階部分と1階部分は吹き抜けでつながっています。吹き抜けでつながっているとはいえ、2階建ての家は廊下や階段で繋がっているので、一般的な2階建てと考えて差し支えないと思います。

 計測には以下の計測器を使いました。

では、さっそく結果ですが、以下のようになりました。

条件3回計測平均
ふにゃふにゃシステムなし約52.0 dB
ふにゃふにゃシステムあり約51.8 dB

いかがでしょうか。結構驚きの結果ではないでしょうか。

なんと、騒音の大きさに違いはないという結果になりました。

1階部分で音を聞いていましたが、あまり違いはありませんでした。ただし、「タイヤふにゃふにゃシステム」を使ったときのほうが木魚みたいなポーンポーンという音でした。

ただ、2階のドラムの部屋で音を聞いてみると、驚きの違いがありました。それは、ドラム部屋の中では「ふにゃふにゃシステムあり」の時のほうがうるさかったのです。

これは「太鼓現象」がふにゃふにゃシステムによって起こっていると考えられます。ステージと床の間に空間ができることによって、その空間で音が反響し、増幅した結果音量が増したと考えられるのです。

以上より、「タイヤふにゃふにゃシステム」の導入により以下の変化があったと考えられます。

条件振動
ふにゃふにゃシステムなし
ふにゃふにゃシステムあり

ドラム部屋は「タイヤふにゃふにゃシステム」以外の防音措置は行っていませんので、結果として1階で聞こえる騒音の大きさは変わらなかったのではないでしょうか。

このことから、戸建てでは「タイヤふにゃふにゃシステム」だけでは騒音軽減効果はないと考えます。吸音材を壁に張ったりして部屋の音を軽減する措置と合わせて行うことで効果があるかもしれません。

ただし、マンションの上下階など音自体は伝わらない状況で、振動が伝わって困っている場合は効果があるのではないかと考えます。

追加検証

せっかく材料をばらばらに仕入れているので、組み合わせを変えたときどうなるかそれぞれ試してみました。

バランスディスクを使うと太鼓現象が起きてしまうので、バランスディスクなしのパターンを試しています。

条件3回計測平均
ノイズイーター+
P防振マット+
すべり止めシート
約49.1 dB
P防振マット+
すべり止めシート
約50.1 dB
すべり止めシートのみ約51.6 dB

やはり、戸建ての場合、吸音材など他の防音措置なしの時には「タイヤふにゃふにゃシステム」ではなく、普通に防振材を使ったほうが効果がありました。

1階で聞いても、2階で聞いても耳でわかる範囲で騒音の大きさが変わっていました。

おわりに

吸音材など他の防音措置なしの時には「タイヤふにゃふにゃシステム」ではなく、普通に防振材を使ったほうが効果があるとわかりました。

おそらく吸音材を壁に張るなどして、電子ドラムが置いてある部屋の音を低減すれば結果は変わってくると思いますが。

少なくとも、戸建てで「タイヤふにゃふにゃシステム」単体ではあまり効果がない場合があるということはわかっていただけたのではないでしょうか。

DIYで行う防振対策を考えている方に少しでも参考になればうれしく思います。

今後も防音材を試してよい組み合わせがあれば紹介していきます。

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