サブスクリプションビジネスを始めるにあたっての考慮事項

はじめに

本投稿では、最近聞かれるサブスクリプションについて、
なぜ専用のSaaSが必要なのか(ERPではだめなのか)疑問を抱き、
背景、検討事項、求められるワケを考察しました。
本投稿にあたっては、ティエンさん(zuora創設者)の著書「サブスクリプション」およびデロイトの根岸さん・亀割さんの書籍「サブスクリプション経営」を参考にしています。
むしろ、本の内容を自身の備忘にするために大きくかみ砕いた内容です。
より詳細な情報はこれらの書籍を読むことをおすすめします。

サブスクリプション(以下サブスク)って何?

ユーザーに向けて、モノを売るのではなく、体験を売るもの。
体験した価値に対する従量課金となっている場合が多い。

車のリースなどとの違いは、
リースでは1台に対してお金を払っていくが、サブスクでは車の乗り換えなどが可能。(乗るという体験を売っているため)

なぜいま、サブスク?

・企業資本的側面

売り切りでは次期の収益が見えにくい。
その点、サブスクリプションではユーザ数から収益見込みが立てやすい

・ユーザ側面

モノの所有ではなく、体験価値を重視するユーザが増えた

・サービス側面

アジャイル的なモノ作りが浸透する中で、サービス提供までを迅速にする必要が出てきた。
「サブスクリプション」にもある通り、永久のβ版としてすぐに提供し顧客のフィードバックから改善していくことが可能である。

・分析側面

ITの進化により分析基盤が整い、顧客行動の見える化が進んできた
これらの情報をサービス更新に活かすという点でサブスクは優れている。

事例

有名どころだと、Netflixなどコンテンツプロバイダーが挙げられる。
ただしこれらのSaaSだけでなく、最近はモノのサブスクリプションも増えている。
例えば、ブランドバッグのサブスクであるラクサスなどが挙げられる。
今後もモノの提供は増えていく可能性がある。

サブスク用のパッケージやSaaSもでてきている

従来のビジネスとサブスクは異なる部分も多く、ERPパッケージでサブスクビジネスを管理するのは難しい。

具体的には収益構造の違い、契約体系の違いが大きい。
収益構造は下記で表されるそう。

ARRn - Churn + ACV = ARRn+1

ARRn   :n年度の年間定期収益
ARRn+1 :n+1年度の年間定期収益
Churn  :年間解約金額
ACV    :年間契約金額

また、契約体系の違いとしては、無料期間やダウングレードを
既存のERPで管理するのが難しい。
(金額体系ごとに商品追加を繰り返していたら管理しきれない)

サブスクビジネスのとりかかり

サブスクを始めるまでには大きく「構想策定」と「実行支援」がある。

簡単に箇条書きにすると以下のようになる。

最後に

なぜサブスクが注目され、それによってサブスク用のSaaSが登場したのか
背景を探ってみた。
サブスク用SaaSを導入するためには新サービスの開発が必要な場合もあり、
導入までに考えることは多そうだ。。
サブスク用SaaSをプロジェクト化するためには上記を踏まえて多くのフェーズが必要になりそうだと分かった。

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