コンサル経験者が考える戦略コンサルとITコンサルの違い

こんにちは。ドラマーのひろです。

今回は戦略コンサルティングとITコンサルティングの違いについて言及します。

戦略コンサルティングとITコンサルティング、イメージでは仕事の内容が違うことが分かると思いますが、ハッキリと違いが判らない場合もあると思います。

特に、ITコンサルティングは戦略コンサルティングの中でもIT戦略に特化しているだけだと捉えられがちです。

コンサルティングの定義は様々ですが、コンサルティングファームではどのような仕事の違いになるのか具体的にお伝えします。

これからコンサルタントを目指す新卒の方やコンサルティングファームに転職したい方に少しでも参考にしていただければ嬉しいです。

コンサルの種類

ITに関わるコンサルティングは以下のような種類があると考えています。ビジネスコンサルティングとは何かの領域に特化したコンサルティングです。あえて分けて書いていますが、ITコンサルティングはビジネスコンサルティングの1つです。この中で今回は「戦略コンサルティング」と「ITコンサルティング」の違いにフォーカスしてお伝えします。

コンサルティングの種類企業の種類
戦略コンサルティングコンサルティングファーム
ビジネスコンサルティングコンサルティングファーム
ITコンサルティングコンサルティングファーム
SE系コンサルティングSIer
導入コンサルティングIT関連事業会社
システムコンサルティングIT関連事業会社

戦略コンサルティングとITコンサルティング

それぞれどういった特徴があるか簡単に説明します。

戦略コンサルティング

戦略コンサルティングはコンサルといえば戦略!というイメージがあるかもしれませんが、何をするのかハッキリと答えられる方は少ないのではないかと思います。

私は経営課題の抽出と解決策の立案が戦略コンサルティングの仕事であると考えます。

つまり、売り上げの減少などといった経営者的観点から、会社を部門横断的に俯瞰し、どの部門に対しどのような施策を講じるか立案します。

この時、IT施策は施策の1つとしてあり得ますが、それがすべてではありません。

また、戦略コンサルティングを強みとするコンサルタントは通常ITについてのコンサルティングは行いません

実行したとしてもRFP(提案依頼書)の作成までで、それ以降はITコンサルタントやSIerが担当します。

対面するクライアントは取締役員・執行役員以上の会社を俯瞰する立場の人間です。課題のヒヤリングなどでは現場の方と関わる機会もありますが、限定的な機会になりがちです。

ここで注意なのが、戦略コンサルタントとビジネスコンサルタントの違いです。

戦略コンサルタントは部門俯瞰的に課題や施策を考える一方、ビジネスコンサルタントはある一つの部門の内容に強みがある場合を指すことが多いです。

例えば、ビジネスコンサルタントの中で人事に強みがあるコンサルタントは、人事の仕組みや法律に強みがあり部門横断的に俯瞰することはありません。
ITコンサルタントもビジネスコンサルタントの一つです。

戦略コンサルティングとビジネスコンサルティングは混同される場合が多いので注意が必要です。

また、ビジネスコンサルティング自体は戦略コンサルティングとの違いが比較として挙がることが少ないように思いますが、コンサルティングファームでは戦略コンサルティングとビジネスコンサルティングは別物ととらえられます。

ITコンサルティング

ITに強みがあるコンサルタントがコンサルティングを行う場合、ITコンサルティングであると言えます。

戦略コンサルティングとの違いは部門全体を俯瞰するか否かになります。

ITコンサルティングのスタートは「ITの課題を解決したい」から始まります。つまり、ITの課題がある程度浮彫りになっている場合がほとんどです。

仕事の関わり始めはいくつかパターンあり、「コンサルティングをする中でITの課題が浮き彫りになりITコンサルタントがプロジェクトに参画する場合」と「クライアントから課題を解決したいという相談を直接受ける場合」があります。
また、最近はコンサルティングファームがITの課題解決を提案しにクライアント訪問する場合もあります。

対面するクライアントはIT部門の部長・課長~IT部門の役員、さらには現場SEです。

ここでポイントなのが、ITシステムの構想段階~構築・運用を含めたプロジェクトの全体指揮(のサポート)を担う場合がほとんどだということです。

これはざっくりいうとPMOと呼ばれるやつです。

実際、構想策定プロジェクトとPMOプロジェクトは垣根がほとんどありません

構想策定フェーズにコンサルタントとクライアントのほかに現場SE(運用中のシステムを構築・保守するSE)が含まれる場合、プロジェクトをまとめるPMOとしての役割が求められるからです。

そのため、「ITコンサルティングをすることはITプロジェクトのPMOを担当することとと同義になる場合が多い」ということを意識していただけると転職後の仕事イメージとのギャップが生まれにくいと思います。

各コンサルティングファームの得意領域

戦略コンサルティングとITコンサルティングの仕事内容の違いはある程度お判りいただけたのではないでしょうか。

ここからは、有名なコンサルティングファームを何社か取り上げ、得意としている領域をお伝えします。(主観も多いのであくまで参考まで)
具体的にどの会社を選ぶべきかの参考にしていただければと思います。

ファーム得意領域説明
マッキンゼーIT以外:IT = 10:0ITプロジェクトに実際に関わるような仕事はほぼないと思います。1人当たりの単価が高く、部門横断的な課題抽出能力と経営指標に大きく貢献する施策の立案が求められます。
ボスコンIT以外:IT = 7:3意外に思う方もいるかもしれませんが、ボスコンはITの実行フェーズまでの支援割合を増加させている状況です。ITプロジェクトは大規模になると10年ほど実施したりするほか、投入するコンサルタントも増えるため、売り上げの確度と売り上げ自体どちらも上げようと考えITプロジェクトの割合を増やしていると推察します。
Big4IT以外:IT = 5:5Big4の中でもバラつきはありますが、総じてITの実行フェーズまでの支援割合を増加させています。ITプロジェクトの占める割合は大きく、純粋な戦略コンサルティングの占める売り上げは少ないです。
ただし、クライアントは戦略コンサルティングも任せられる程度の人材的品質を期待する場合も少なくありません。
アクセンチュアIT以外:IT = 2:8最近はコンサルもできるSIerという見方も強くなってきているほどITプロジェクトがほとんどです。
むしろ、コンサルティングファームのIT実行支援にいち早く手をつけ、成功したファームとも言えます。
運用部隊も抱えるほどIT関係者が多いファームです。

2020年あたりの業界トレンドはITプロジェクトの増加傾向にあるので、買収やSE積極採用などでIT関連従事者を多くとり入れているファームも少なくありません。

おわりに

いかがでしょうか。コンサルティングといっても様々なかかわり方があります。戦略コンサルティングとITコンサルティングで業務内容も大きく違うことが分かるのではないでしょうか。

また、コンサルティングファームといっても得意領域が全く違うことが分かると思います。

どのファームなら自分がなりたいコンサルタントになれるのかしっかり考えて会社を選ぶことをオススメします。

本記事はコンサルティング業界にいた人間が自ら感じた内容をお伝えするものになります。1つの意見ととらえていただけると嬉しいです。

もし、コンサルタントになりたいと思う方がいれば、まずはどういった業界の流れがあり、それに対してどのようなプロジェクトや仕事があるのか考えを膨らませてみてください。
本記事の内容もきっと参考になるはずです。

以上です。

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