はじめに
サイト運営で使用するサーバーにAWSを使用したいと思うときがあると思いますが、EC2を使うにしてもどのサイズがいいか迷うと思います。
今回は最低限のスペックを満たしつつ、コストメリットがあるインスタンスはどれなのか考えてみました。
インスタンスのコスト比較
結論から言えば、最低限のスペックを満たしつつCPUやメモリを確保するなら、Lightsailが割安だと感じました。
インスタンス | 時間料金 | 月額 | vCPU | メモリ (GiB) |
ストレージ | バック アップ |
月額費用 総額 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
a1.medium | 0.0321 USD | 3344 円 | 1 | 2 | 840 円 50GB想定 | 350 円 | 4534 円 |
t4g.medium | 0.0432 USD | 4500 円 | 2 | 4 | 840 円 50GB想定 | 350 円 | 5690 円 |
r6g.medium | 0.0608 USD | 6333 円 | 1 | 8 | 840 円 50GB想定 | 350 円 | 7523 円 |
Lightsail | 10 USD / 月 | 1400 円 | 1 | 2 | 60 GB付 | 350 円 | 1750 円 |
Lightsail | 20 USD / 月 | 2800 円 | 2 | 4 | 80 GB付 | 350 円 | 3150 円 |
- 1か月31日換算
- 1ドル140円換算
- バックアップは、EC2では週次バックアップで4世代、AWS backupを使用することで差分バックアップとし、月間50GB使用想定
- Lightsailは自動スナップショット機能(毎日7世代)を使用。ただし、差分バックアップとのことなので、月間50GB使用想定
メモリで見れば4GiBほしいところですが、とりあえずLightsailの10USD版でいけるんじゃないかと思っています。
Lighsailの10 USD版を使用し、スペックが足りなければ、Lightsailの20 USD版を使用するのがコスト的に良いのではないでしょうか!
費用的に見ればLightsailがいいかなって感じになりましたが、そもそもLightsailってどうなの?ってこともあるのでLightsailについてもう少しだけ深堀っておきます。
Lightsailとは
Lightsailはサイト運営に必要なAWSサービスを「シンプルに」「定額で」提供してくれるサービスです。
AWSの他のサービスを組み合わせて料金体系だけ定額にしているわけではなく、LightsailはEC2やS3などのサービスで機能がある程度そぎ落とされて、一括りにされている感じです。
- 定額でコスト総額が安い
- AWSの他サービスの機能を縮小しシンプルにしている
- AWSの他サービスと連携性は低い
AWSで提供される「サーバ」「ストレージ」などを定額プランで提供するものでコストの見積もりが立ちやすいのが特徴です。
Lightsailには専用のコンソール画面があり、そこで使える機能のみ使用できます。
普段AWSを使用している方だと、使い慣れたEC2のコンソール画面と違う!だったり、EC2だったらある機能がない!ということが発生します。
限定されたサービスを安い固定費用で使用できるものだと思っておいた方が良いと思います。
EC2などAWSサービスに移管する場合にも、シームレスというわけではないのでLightsailで始めたらずっとLightsailで使用する前提のほうが良いです。
Lightsailを使用するメリット
EC2などを使用するより、「安い!」ってところですよね一番は。
その他のメリットとしては以下があります。
- 固定IPアドレスが無料で使用できる
- DNS機能が無料で使用できる
- wordpressなど既にインストールされている状態でサーバーを起動できる
- wordpressがすでにインストールされているサーバーの場合、Bitnamiというパッケージを利用してインストールされている状態になります。そのため、通常の方法でインストールされたwordpressと比較すると、ディレクトリの場所が違ったり、bitnami特有のコマンドを使用する場合があるので注意が必要です。
Lightsailを使う上での注意点
wordpressなどのサポートは受けられない
- wordpressが既存インストールされているからといって、サポートではwordpressに関わる質問には答えてもらえません。wordpressのことも聞けるのかと思っていると期待外れになってしまう場合があるので注意してください。
- そのわりにbitnamiの特有のコマンドを求められたりするのでキツい場面もあるでしょう。
- 一応Lightsailのサポートサイトでチュートリアルなど説明はあるのでそこを見ながら頑張りましょう。
EC2をwordpressなどに最適化しているわけではない
- また、あくまでwordpressに最適化サービスを提供するのではないので、AWSとwordpressの仕様がかみ合わずエラーになる場合もあります。あくまでEC2ベースのサーバーにwordpressをインストールしてあるだけってことです。
- wordpress Multiでロードバランサーを使用するとヘルスチェックで失敗したりしますのでそういうもんだと思って使うしかないです。
おわりに
AWS EC2でwordpressブログサーバーなどを運用しようとすると、はっきり言って高いです。月5000円くらい覚悟しましょうってことになります。
さくらインターネットだと月1600円くらい
しかし、AWS Lightsailならとりあえず1750円で使えそうなので、AWSでサーバー立ててサイト運営したいならまずはAWS Lightsailでどうでしょうか。
機能などシンプルになったEC2のイメージで使用できるのでできることのイメージは付きやすいでしょう。
さくらインターネットなどと違うところは、ベースがEC2なのでSSHログインしてほかのプログラムを実行したり汎用サーバーとしても利用できる点が大きなメリットだと思っています。
Linuxのコマンドに抵抗がない方はAWS Lightsailから試してみてはいかがでしょうか。